「LIFRENO(リフレノ)」人生を、もう一度動かすために

こんにちは。今日は、「LIFRENO(リフレノ)」についてお話ししたいと思います。

【1. 原体験:不要だと感じた過去と、そこからの再起】

私は、いわゆる就職氷河期に社会に出ました。

どんなに頑張っても希望する会社には受からず、最初は派遣社員として働き始めました。
そのときの私は、「自分は社会に必要とされていないのではないか」と、真剣に悩んでいました。

でも、あきらめずに技術や語学の勉強を続け、やがて念願だった企業に正社員として転職。
そして驚いたのは、自分が思っていた以上に仕事ができるという事実でした。

この経験から私は学びました。
「自分がダメだった」のではなく、「自分とその職場の相性が合っていなかった」だけだったと。

この気づきが、今の私の原点です。

【2. 年齢を重ねた今、見えてきたこと】

今、私の職場には定年前後の社員が多く、
その人たちの退職後の話を聞く機会が増えました。

すると、多くの人が二つのタイプに分かれていることに気づきました。

一方は、これまでのスキルを活かし、楽しそうに転職して働き続けている人たち。
もう一方は、「これから何をしたらいいのか」と手探りで模索している人たちです。

その違いは、スキルの差というより、
事前の準備と、自分に合った次の場所を見つけられる環境があるかどうかにあるように思います。

そして私は考えるようになりました。

日本は今、高齢化社会と技術者不足という二つの課題を抱えています。
ならば、人生経験や技術を持つ人たちがもう一度社会で活躍する場をつくることが、自分にもできるのではないかと。

【3. LIFRENOの立ち上げ】

こうした気づきをもとに、私は**LIFRENO(リフレノ)**というプロジェクトを立ち上げました。

LIFRENOは、LIFE(人生)をRENO(リノベーション)するという意味です。
これまでの経験を否定せず、今あるものを活かしてもう一度、自分らしく働ける道をつくる。
そんな場を目指しています。

【4. LIFRENOの3つの柱】

LIFRENOの活動は、次の3つの柱から構成されています。

リスキリング(学び直し)の調査と設計
私は今、**シニア世代と企業の双方にアンケートやヒアリングを行い、
「どのような学び直しが必要とされているのか」**を調査しています。

「どんなスキルに自信が持てないのか」
「企業は再雇用者に何を求めているのか」
こうした生の声を集めながら、
LIFRENOでは、**“ただ学ぶ”のではなく、“実践につながる学び”**を設計しています。

マインドの再構築
スキルよりも前に必要なのは、「自分にもできる」という感覚です。
挑戦を止めてしまう最大の原因は、“一人きりで悩むこと”にあると私は感じています。

この課題について、私は複数のコミュニティ活動を通じて実際に研究を進めています

  • 一つは、トーストマスターズクラブ
    人前で話すことで自信を取り戻す人たちの姿を、何度も見てきました。
  • 二つ目は、若宮正子さんも関わるシニア向けのコミュニティ
    年齢を重ねても、仲間と共に挑戦することで前向きになっていく様子を目の当たりにしています。
  • 三つ目は、勤務先での社内コミュニティ活動
    定年前後の社員が、学び直しや次のステップに向けて少しずつ動き始める姿が増えてきました。

共通して言えるのは、人は「誰かとつながっている」と思えた瞬間に、もう一歩踏み出せるということです。
LIFRENOでは、こうした実践を基に、学びだけでなく、心理的な支え合いの仕組みも取り入れています。

柔軟な働き方の提案
LIFRENOでは、正社員やフルタイムという枠にとらわれない働き方を提案しています。

副業、アドバイザー、短期プロジェクト――
経験を活かし、必要とされる形で社会とつながる方法はたくさんあるはずです。

企業側にもヒアリングを行いながら、
「年齢を重ねた人材の活かし方」を現場と一緒に模索しています。

【5. 今、私が実際に取り組んでいること】

LIFRENOを前進させるために、私は現在:

  • 社会人大学院(MBA)で「サステナビリティとイノベーション」を研究し、理論と現場をつなぎ
  • シニアと企業へのアンケート・ヒアリングを継続的に実施し
  • トーストマスターズ、若宮正子さんのコミュニティ、社内活動を通じてマインド変化のプロセスを観察し
  • 仲間たちと定期的にミーティングを行い、仕組みの試作と検証を続けています

こうした日々の積み重ねが、LIFRENOの土台を少しずつ形にしてくれています。

【6. 結び】

LIFRENOは、「まだ何かやってみたい」「自分の経験を誰かの役に立てたい」
そう感じているすべての人に開かれた場所です。

かつて私が「社会に必要とされていない」と感じていたように、
今も同じように悩んでいる人がきっとどこかにいます。

でも私は、声を大にして言いたい。
人生は、何歳からでも新しいページを開くことができる。

その一歩を踏み出す勇気と、その背中をそっと押せる場。
それが、LIFRENOでありたいと思っています。

ご清聴、ありがとうございました。